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LHが低値でもブセレキュアトリガーは有効?|GnRHアゴニストトリガーの正しい考え方
【目次】
体外受精や採卵の説明の中で、「LHが低い」「ブセレキュアトリガーが効くかどうか」という話を聞いて、不安に感じる患者さんは少なくありません。ブセレキュア(GnRHアゴニスト)トリガーは、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を防ぐために非常に有効な方法ですが、すべての人に万能というわけではありません。特にLHがもともと低い方では、効果に差が出ることがあります。本記事では、LHの役割とブセレキュアトリガーの仕組み、低LHの場合の考え方をわかりやすく解説します。
LH(黄体形成ホルモン)は、排卵や卵子の最終成熟に欠かせないホルモンです。
自然周期で起きていること
この一連の流れは「ポジティブフィードバック」と呼ばれ、非常に精巧なホルモン調節の結果として起こっています。
体外受精では、自然のLHサージをそのまま使うことはできません。そのため、トリガー注射(または点鼻)を用いて人工的に最終成熟を起こします。
hCGトリガーとの違い
LHと似た作用を持つが、半減期が非常に長い
→ OHSSのリスクが高くなる
脳下垂体を刺激して「自分のLH」を一気に分泌させる
→ 半減期が短く、OHSSを起こしにくい
このため、卵胞数が多い場合や高反応の方では、ブセレキュアトリガーが非常に有用です。
ここが今回の質問の核心です。
結論から言うと
👉 LHがもともと低い方では、ブセレキュアトリガーが十分に効かないことがあります。
ブセレキュアは「LHを出させる薬」であって、「LHそのもの」ではありません。
つまり、
こうした場合には、
という事態が起こり得ます。
ここで問題になるのが、安全性とのバランスです。
hCGを使えば確実だが…
LHが低い場合、hCGトリガーを使えば、
しかし、
では、OHSSのリスクが高くなります。
ブセレキュアが理想的なケース
このような方では、ブセレキュアトリガーは非常に安全で有効です。
臨床現場では、「どちらか一択」という単純な話ではありません。
実際に行われる工夫の例
たとえば、
この場合は、最初から低用量hCGトリガーを選択することもあります。
一方で、
場合には、ブセレキュアトリガーを第一選択としつつ、万一に備えた二段構えの対応を行うこともあります。
LHが低いと言われると、「自分はダメなのでは」と不安になる方もいますが、そうではありません。
知っておいてほしいこと
大切なのは、
👉ホルモン特性を理解した上で、最適な方法を選ぶこと
です。
LHが低値の場合、ブセレキュア(GnRHアゴニスト)トリガーは必ずしも万能ではありません。ブセレキュアは「自分のLHを出させる方法」であるため、もともとLH分泌が弱い方では十分な効果が得られないことがあります。一方で、hCGトリガーは確実性が高い反面、OHSSのリスクが伴います。実際の治療では、LHの反応性、卵胞数、安全性を総合的に判断し、医師が最適なトリガー方法を選択します。当院では様々な患者さんの症例実績がありますので、不安な点は遠慮せずご相談ください。