診療受付時間

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※最終予約枠は終了時間の30分前となります 。

MALE INFERTILITY

男性不妊の割合

男性不妊の割合

日本では、子どもができない原因は女性側にあると考えられていた背景があり、女性は家庭や社会で苦しい立場に立たされてきました。しかし実際は、不妊症のご夫婦のうち男性側に原因があるケースが24%、男女共に原因があるケースが24%と不妊に悩むご夫婦のうち約半数が男性側にも原因があるといわれています。
このように男性側に何らかの異常があり妊娠できない状態を「男性不妊」といいます。

Q

男性不妊は何科を受診する?

A

男性不妊は、一般的に婦人科やART(生殖補助医療技術を有するクリニック)で受診することができますが、「女性のための病院」というイメージもあり、なかなか男性が治療を進めることができないというジレンマを抱えています。
当クリニックは、不妊専門のクリニックとして男性不妊の検査や治療を行っています。男性の生殖医療専門医・泌尿器科医が診療を行いますので、不妊で悩むご夫婦は一緒に受診することをお勧めします。
日比 初紀
担当医師
日比 初紀

生殖医療専門医

泌尿器科専門医

男性不妊の原因

男性不妊の原因
造精機能障害は、先天性のものと後天性のものに分けられます。
先天性の原因は、遺伝的要因や発育段階で受けた影響などが考えられます。一方、後天性の原因は、ストレスやアルコール摂取、喫煙、肥満・糖尿病、病気や薬の影響、精巣の損傷・機能障害などが考えられます。このような先天性・後天性の原因による勃起不全や早漏、遅漏、性的欲求・性的興奮の減退・欠如などの症状を「性機能不全」といいます。
また、男性不妊の約90%は、精巣やホルモン分泌などの異常が発生して精子を上手く作ることができない「造精機能障害」を抱えていると言われています。
精索静脈動瘤
陰嚢内の温度の上昇などの原因により、精巣の発育不全などを発症して精子形成に悪影響を与えます。
閉塞性無精子症
精管(精子の通り道)の一部が詰まるなどの原因で癒着して精子が運ばれず、精液の中に精子がいない状態です。
先天性精管欠損
生まれつき精管が備わっておらず、精巣内に精子が閉じこめられた状態です。
膿精液症
前立腺や精嚢などの炎症によって精液中に白血球が増え、精子の運動率が低下している状態です。
無精液症
精液が精巣内で造られない状態です。
逆行性射精
精液が尿道に送られず、膀胱に逆行する状態です。
勃起不全(ED)
性交時に十分な勃起が得られない状態や、十分な勃起が維持できずに満足な性交が行えない状態です。
腟内射精障害
腟内で射精することが困難になる状態です。

男性不妊の検査・治療法

男性不妊と考えられる場合は、生殖医療専門医が問診を行った上で精液検査や画像診断などの検査を行い、検査結果をもとに薬による内科的治療や外科的治療などを実施します。
現在は、ガラス管で卵子に精子を直接注入する「顕微授精」の技術が台頭したことにより、
精巣から精子を1匹でも取り出すことができれば妊娠に繋げることができます。症例の少ない無精子症やクラインフェルター症候群(染色体異常による性腺機能不全)においても、顕微授精であれば精巣管を探して精子が見つかりさえすれば妊娠できる可能性があります。10年前には不可能だった問題も、現代ではほとんどクリアできます。

男性不妊の検査

精液検査
精液検査により精子の数や運動率を調べます。
ホルモン検査
採血によりFSHやLH、テストステロンなどを測定し精巣の機能を調べます。
染色体検査
採血により染色体異常を調べます。
Y染色体検査
採血によりY染色体上の無精子症関連領域の遺伝的欠失について調べます。

上記以外にも、血液検査・精液検査を行う前に感染症関連検査、手術を行う前に術前検査を行います。

当院で施行できる精子採取術

当院では保険で精子採取術を受けられます。

※保険適用で体外受精を実施できる方に限る

  • ReVSA
    (精管精子採取術)

    精管から精子を採取する方法。

    対象: 閉塞性無精子症、射精障害
  • MESA
    (顕微鏡下精巣上体精子採取術)

    顕微鏡を使用して精巣上体から細いガラス管で内容液を吸引する方法。
    顕微鏡操作が必要なため、高い技術が求められる。
    精巣精子より精子数が多く、処理にかかる時間も非常に短くて済む。

    対象: 閉塞性無精子症
  • Conventional TESE
    (精巣精子採取術)

    顕微鏡を使用せず、精巣から精巣組織をランダムに採取し、その中から精子を採取する方法。

    対象: 閉塞性無精子症
  • Micro-TESE
    (顕微鏡下精巣内精子採取術)

    顕微鏡を使用して精巣から精子がつくられている精細管を見つけ出しその精細管を採取して精子を採取する方法。

    対象: 非閉塞性無精子症

パートナーである女性に寄り添うことが大切です

技術力が発展した現代では、顕微授精によって男性側から1匹でも精子を取り出すことができれば治療することができますが、最終的に手術などの治療を受けるのは女性側です。
顕微授精を行うための採卵時には、女性の心身ともに大きな負担がかかってしまうため、男性はパートナーの負担を少しでも軽減できるよう寄り添うことが大切です。
パートナーに寄り添うことが大切です