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採卵で取れた卵はどのグレードまで利用するのか― 受精卵・胚盤胞グレードの正しい考え方 ―
【目次】
採卵後、「取れた卵は全部使えるの?」「どのグレードまで移植や凍結の対象になるの?」と疑問に思われる方は少なくありません。胚のグレードは、不妊治療において重要な指標の一つですが、その意味を正しく理解していないと、不安や誤解につながることもあります。本記事では、採卵後の受精卵や胚盤胞がどのように評価され、どのグレードまで利用を想定しているのかを、専門用語をかみ砕きながら分かりやすく解説します。
採卵で複数の卵子が取れたとしても、そのすべてが治療に使えるわけではありません。これは不妊治療を始める多くの方が、最初に直面する現実です。
卵子は採卵後、
といったいくつものステップを経ていきます。この過程で、成長が止まる卵や、発育が極端に遅れる胚が出てくることは珍しくありません。
つまり、「採卵数=使える胚の数」ではないという点が、不妊治療の大きな特徴です。
受精した卵は「受精卵」となり、そこから分割を繰り返しながら成長していきます。順調に進んだ場合、5~6日目頃に「胚盤胞」と呼ばれる段階に到達します。
しかしこの途中で、
といったことが起こり、胚盤胞まで育たない胚も多く存在します。ヒトの場合、20年、30年時間がたってから卵子を使うので、他の寿命が短い動物と違って、多くの胚が育たないことが普通です。
胚盤胞まで育った胚は、「グレード」と呼ばれる評価基準で状態を判定します。一般的に用いられるのは以下の3要素です。(グレードというので誤解をうみますが、本当はGardner分類です。)
胚盤胞の大きさ(1~6)
胎盤になる細胞(栄養外胚葉:TE)
赤ちゃんになる部分(内部細胞塊:ICM)
これらを組み合わせて、「4AA」「3BC」などと表現します。
一般的には、
の胚を凍結・利用の対象とします。
例えば、CCのように細胞数が極端に少ない胚は、
といった理由から、凍結対象から外されることがあります。また、発育が著しく遅い胚も、妊娠率の観点から省かれることが多いです。
ただし、「ここから下は絶対に使わない」という明確な線が引けるわけではありません。
胚盤胞のグレードが良いほど、
という傾向はあります。ただし、これはあくまで傾向であり、強い相関関係があるわけではありません。
実際には、
どちらも存在します。そのため、「グレード=すべて」ではないという点が非常に重要です。
患者さんの中には、
「グレードが悪い=妊娠できない」
と考えてしまう方もいますが、これは正確ではありません。
には個人差があり、それは年齢、卵巣予備能、刺激方法、遺伝的要因など、さまざまな要素が関係しています。
また、施設ごとに、
は、過去のデータや方針によって異なります。
基本的に何らかの差別化をしないと移植の順番が決まらないので、Gardner分類を採用しています。
採卵で得られた卵は、すべてが利用できるわけではなく、成長の過程で自然に選別されていきます。胚盤胞のグレードは重要な指標の一つですが、それだけで妊娠の可否が決まるわけではありません。グレードが良いほど妊娠率が高い傾向はあるものの、染色体異常との関係は完全には一致しません。大切なのは、数字や評価に一喜一憂しすぎず、主治医とデータをもとに治療方針を考えていくことです。
ヒトの場合、本来、移植して着床しても、妊娠判定まで育つ胚はきわめて少ないというのが真実です。