診療時間

診療時間
09:00 - 16:00
16:00 - 19:30

※最終予約枠は終了時間の30分前となります 。

COLUMN

2024/12/18

胚培養士のインターンシップについて

胚培養士のインターンシップについて

当院では、学生さんに胚培養士(エンブリオロジスト)と医療情報処理(培養事務)の仕事についてより深く知ってもらうため、“インターンシップ ”を受け入れています。このコラムでは、実際のインターンシップについてご紹介していくと共に、8月からスタートした胚培養士プレスクール(Asada Laboratory Academy)についても簡単に触れていきます。


【目次】
1.インターンシップについて
①インターンシップの対象
② インターンシップの内容
 ・胚培養士
 ・医療情報処理
2. 胚培養士プレスクール(Asada Laboratory Academy)について
①プレスクールの対象
②開講の目的
③ プログラム内容
④参加した学生さんの声
3.まとめ

 

1.インターンシップについて

インターンシップでは、培養室業務の見学と胚培養士 (医療情報処理 )の質疑応答が主な内容になります。(業務体験は含まれていません。)

① インターンシップの対象

当院のインターンシップは、学部3年生もしくは修士1年の方を対象としています。

②インターンシップの内容

・胚培養士

当日は、 制服に着替えた後、実際に培養室に入っていきます。培養室内では、患者様の受精卵を第一優先とした行動をとっていただく必要があるので、入室前に、注意事項などを説明します。


培養室内では、8時15分頃から受精卵の観察、融解を行っています。インターンシップは10時開始となるので、その後の凍結からの見学となります。凍結では、実際の胚盤胞凍結や前核期胚凍結を見学していきます。見学する事のできなかった観察・融解業務については、映像での説明を行います。

10時30分からは採卵が始まります。ここでは、 卵胞液から卵子を探す検卵業務を見学します。採卵後は、精子処理、卵丘細胞除去など受精操作の準備の様子や顕微授精などの実際の受精操作を見学します。

14時からは胚移植 が始まるので、胚移植のカテーテルに受精卵をつめるloading作業を見学し、インターンシップの見学項目は終了となります。

見学中の質問に関しては、実際に受精卵を触っている時以外であれば、基本的に受け答え可能です。業務以外の疑問や不安などでも、気になることがあれば近くにいる胚培養士に聞いてみてください。

・医療情報処理(培養事務)

「医療情報処理」は、主に患者様の治療情報や治療実績の管理を行い、胚培養士や医師らと共にデータ集計・解析・分析を行う大事な役割を担っています。

医療情報処理インターンシップでは、胚培養士インターンシップと同様に培養業務の見学を行います。 また胚培養士希望の学生より、さらに実践的な臨床データの管理や集計・解析・分析についての説明を、現役の医療情報処理から受けることができます。

胚培養士のインターンシップ について興味を持った方は、インターンシップ応募ページ をご確認下さい。

 

2.胚培養士プレスクール(Asada Laboratory Academy)について

胚培養士プレスクール(以下 プレスクールという)では、実技実習や講義を通して胚培養の技術や知識を学びます。見学と質疑応答のみのインターンシップとは違い、体験という形でより深く胚培養士の仕事を知ることができます。

① プレスクールの対象

本スクールは、主に胚培養士の就職が決まっている学生、インターンシップ参加者、胚培養士志望 の学生の方を対象としています。

② 開講の目的

胚培養士への就職を希望する学生さんや就職が決まった学生さんから、「胚培養士としての勉強や準備など、学生のうちに何かできることはないでしょうか?」というご質問を多くいただきます。
不妊治療において胚培養士の技術は結果を左右する重要なものですが、現場のイメージがつきづらく、不安を抱える学生さんが多いのが現状です。
そこで実際の培養業務に携わっている私たちに何ができるのか悩んだ末、行きついた先が「実績を積んできた臨床の胚培養士が、これから胚培養士になる方々のサポーターになる」ということでした。その想いを発端に、この胚培養士プレスクールを開講することになりました。

②プログラム内容

胚培養士の心得や培養業務の基本的なスキルを学べ、培養業務の根幹である胚凍結・融解や、精子数のカウント、ピペット操作などの培養業務を実際に体験していただきます。
また、不妊治療の現場で働いている医師や体外受精コーディネーターのお話を聞けるプログラムも実施しています。

(実際に使用するテキスト)

(講義の様子)

実際のプレスクールでピペット操作を練習している様子です。

ピペット操作は、プレスクールの時間内で完璧に習得することは難しいですが、胚培養士がしっかりとサポートしていきますし、練習すれば少しずつできるようになっていきます。
胚培養士が普段どのように仕事をしているか、体験してみてください。

③参加した学生さんの声

プレスクールに参加していただいた学生さんのアンケートから、一部抜粋してご紹介していきます。

「胚培養士のお仕事へのイメージが湧きやすかったです。」
想像していたよりも詳しいプログラムを受講させていただき、独学では分からない細かい所まで分かりやすく教えていただけて、胚培養士のお仕事のイメージが湧きやすかったです。

「不安があったので、それらが解消、軽減されてとても良かったです。」
他のクリニックでは、こういうことをやってくれるところはなく、開講していただけただけでもとても有難かったです。
講義内容全てがとても貴重な経験で、就活で胚培養士の操作を実際に見たりしている今の時期だからこそ出てくる不安や、知識不足、操作に対する不安があったので、それらが解消、軽減されてとても良かったです。

「胚培養士の方が分かりやすく、正確に基礎知識の解説をしてくれました。」
非常に説明が分かりやすく、間違った操作や危険な操作をしてしまった時に理由を含めて解説していただけました。

参加した学生さんの多くから、非常に満足度の高い感想をいただいています。

プレスクールについて興味を持った方は、プレスクール応募ページ をご確認下さい。


3.まとめ

今回のコラムでは、当院が行っているインターンシップと胚培養士プレスクールについてご紹介しました。少しでも多くの学生さんに胚培養に関わる仕事についてより深く知っていただけるように、今後も随時募集を行っていきます。

「胚培養士になりたいけど、何をしたらいいか分からない。」「胚培養士って実際にどんなことをしているの?」そんな悩みを持つ学生さんは是非、当院のインターンシップ・プレスクールにご参加ください。

私たちと一緒に、胚培養士への第一歩を踏み出しましょう。

すべて 不妊治療の基礎知識 お悩みと疑問 研究・学会発表 その他