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COLUMN

2023/10/10

東京都の卵子凍結に係る費用への助成について詳しく解説

東京都の卵子凍結に係る費用への助成について詳しく解説

東京都は令和5年度から新たに卵子凍結に関する2つの事業(「卵子凍結に係る費用への助成」および「凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成」)を開始しました。卵子凍結は子どもを産み育てたいと望んでいるものの、様々な理由ですぐには難しい方にとって、妊娠出産に備える選択肢のひとつとして注目されています。このコラムでは東京都の卵子凍結に関する2つの事業のうち「卵子凍結に係る費用の助成」について解説します。


1  卵子凍結の背景
2 助成内容や範囲について
3 要件について
4 助成額について
5 「卵子凍結に係る費用への助成」エントリーのしかた
6 協力申請と登録医療機関について
7 まとめ


1 卵子凍結の背景

まず卵子凍結の背景にはどのようなものがあるのでしょうか。大きく3つ分けられます。
病気の治療により妊娠するために必要な力の低下が懸念される場合「医学的適応」
病気により妊娠するために必要な力の低下が早く生じることが懸念される場合
健康な女性が、加齢により妊娠しにくくなることを懸念する場合「ノンメディカル」

今回の東京都の卵子凍結に関する2つの事業は②③の方を対象にしたものとなります。不妊治療を目的とした採卵・卵子凍結を行う方や、東京都若年がん患者等生殖機能温存治療費助成事業(小児・ AYA 世代のがん患者等の妊孕 性温存療法研究促進事業)の対象となる方は、本事業の対象外となります。


2 助成内容や範囲について

加齢等により妊娠する機能の低下を懸念する場合におこなう卵子凍結にかかる費用(卵巣刺激、採卵、卵子凍結まで)を助成します。また次年度以降、調査に協力することも必要となります。

[ 卵子凍結の流れと助成範囲 ]
卵巣刺激採卵卵子凍結 → 保管 → 卵子融解 → 授精 → 胚培養 → 胚凍結 →胚移植 → 妊娠確認

3 要件について

対象者は東京都に住む18歳~39歳までの女性(採卵を実施した日における年齢)です。
また以下のすべての要件を満たす方が対象となります。

都が開催する本件の説明会へ参加した後、調査事業への協力申請をおこない、協力承認決定を受けること
①の説明会への参加を申し込んだ日から未受精卵子の凍結が完了し東京都へ申請する日までのあいだ、継続して東京都内に住民登録をしていること
①の説明会へ参加した日より後に、登録医療機関で医療行為を開始すること
採卵を実施した日における対象者の年齢が 18 歳以上 40 歳未満 であること
凍結卵子の売買、譲渡、その他第三者への提供を行わないこと。また海外への移送は行わないこと
卵子凍結後も東京都の実施する調査に対し、継続的に回答すること(最大5年間)
調査協力助成を受けようとする医療行為について、他の法令等の規定により、国又は地方公共団体の負担による医療に関する給付の対象とならないこと
※令和5年度卵子凍結に係る費用の助成は、令和6年3月31日までに医療行為が終了した方が対象となります

4 助成額ついて

A:卵子凍結を実施した年度  上限20万円
B:次年度以降、保管更新時の調査に回答した際に、1年ごと一律2 万円(最大5年間)を予定
A + B 合計30万円(最大)

Aの助成は1回までとなりますので、複数回医療行為を行った場合は、いずれか1つを申請することができます。また卵子凍結にかかる費用(卵巣刺激、採卵、卵子凍結まで)が1回あたり15万円だった場合は15万円の助成。30万円だった場合は20万円の助成となります。卵子凍結に係る費用等 助成開始(東京都HP)


5 「卵子凍結に係る費用への助成」へのエントリーのしかた

まずは東京都福祉局が開催する対象者向けオンライン説明会へ参加し、卵子凍結のメリットとデメリットについて正しく理解しましょう。理解を深めた上で、本事業への協力を希望する場合は調査事業の協力申請へ進みます。説明会に参加した結果、卵子凍結をしないという選択をすることも可能です。対象者向けオンライン説明会の説明会の日程・申請書類・申請方法(東京都福祉局HP)


6 協力申請と登録医療機関について

Q:協力申請をすれば誰でも助成をうけられるの?

協力申請をすると東京都が申請内容を審査し、要件を満たしている場合は、「卵子凍結への支援に向けた調査事業調査協力承認決定通知書」が送付されます。要件を満たしてない場合には「不承認決定通知書」が送付されます。不承認の場合は、その後に実施した卵子凍結は助成対象になりません。


Q:どこの医療機関でも受けられるの?

東京都福祉局ホームページへ掲載されている「登録医療機関」から選択します。(10月16日(月)以降に掲載、順次更新)
卵子凍結に係る医療行為の開始日(採卵準備のための投薬)が、説明会に参加後協力申請を行った日、受診する医療 機関が登録医療機関として都に指定された日、のどちらの日付よりも後である必要がありますので気をつけましょう。


Q:協力承認決定通知書を受領する前に、登録医療機関を受診してもよい?

協力申請後であれば、協力承認決定通知書を受領する前に登録医療機関を受診し、卵子凍結を実施に進んでも差支えないとのことです。ただし、要件を満たさず不承認となった場合には、自己の判断で開始した卵子凍結に係る費用は、助成対象とならないので、自身でしっかり要件を確認する必要があります。


7 まとめ

卵子凍結に係る費用への助成を希望される方は、まずは東京都福祉局が開催する説明会へ参加しましょう。
浅田レディース品川クリニックは、「卵子凍結に係る費用への助成」および「凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成」の指定医療機関に登録されています。
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