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コラム
2026/07/03
PGT-Aはどんな人に向いている検査か ― 受けた方がいい人・慎重に考えたい人の違い ―
体外受精を進める中で、「PGT-Aという検査がありますが、どうしますか?」と説明を受け、迷われる方は少なくありません。PGT-A(着床前胚染色体検査)は、妊娠率を上げる検査として期待される一方で、「誰にでも必要な検査ではない」という側面もあります。本記事では、PGT-Aがどのような検査なのかを整理したうえで、どんな人に向いているのか、逆に慎重に考えた方がよいケースについて、患者さん目線で分かりやすく解説します。
1.PGT-Aとはどんな検査か
2.PGT-Aで分かること・分からないこと
3.PGT-Aが向いている人の特徴
4.PGT-Aを慎重に考えた方がよいケース
5.年齢とPGT-Aの関係
6.PGT-Aに期待しすぎないために
7.まとめ
PGT-Aとはどんな検査か
PGT-A(Preimplantation Genetic Testing for Aneuploidy)は、胚盤胞の一部の細胞を採取し、染色体の数に異常がないかを調べる検査です。
人の染色体は本来46本ありますが、
- 多い
- 少ない
といった異常があると、
- 早く胚の発育がとまる
- 妊娠しても流産になる
可能性が高くなります。
PGT-Aは、この染色体異常の有無を移植前に確認することを目的とした検査です。
PGT-Aで分かること・分からないこと
PGT-Aで分かるのは、
- 染色体数の異常(数的異常)があるかどうか
です。
一方で、次のようなことは分かりません。
- 100%妊娠できるか
- 赤ちゃんが健康に生まれるか
- 着床後のすべてのリスク
つまり、PGT-Aは「妊娠を保証する検査」ではなく、
👉 妊娠しにくい胚を避けるための検査
と理解することが大切です。
PGT-Aが向いている人の特徴
PGT-Aは、すべての方に必要な検査ではありませんが、次のようなケースでは検討する価値があります。
● 良好胚を移植しても妊娠しない方
見た目の良い胚盤胞を何度も移植しているのに、
- 妊娠しない
- 化学流産を繰り返す
という場合、胚の染色体異常が背景にある可能性があります。
● 高年齢で体外受精を行っている方
年齢が上がるにつれて、
- 染色体異常の割合は急激に増加
します。
特に40歳前後では、
- 胚盤胞まで育っても
- 半数以上が染色体異常
ということも珍しくありません。
この場合、PGT-Aによって移植回数を減らせる可能性があります。
● 採卵回数をなるべく減らしたい方
仕事や体力、精神的な負担から、
- 採卵を何度も繰り返したくない
という方にとって、PGT-Aは一つの選択肢になります。
PGT-Aを慎重に考えた方がよいケース
一方で、次のような場合は、必ずしもPGT-Aが最適とは限りません。
● 胚の数が非常に少ない場合
胚盤胞が1個しかない場合などは、
- 検査によって移植できる胚がなくなる
可能性があります。
この場合は、PGT-Aをせずに移植した方が、結果につながることもあります。
● 若年で初期治療段階の方
年齢が若く、
- 初めて体外受精を行う
- まだ十分な治療回数を重ねていない
という方では、まず通常の移植を行う方が自然な場合も多いです。
年齢とPGT-Aの関係
PGT-Aを考える上で、年齢は非常に重要な要素です。
一般的に、
- 35歳未満:染色体正常胚の割合が高い
- 38歳以上:異常胚の割合が急増
- 40歳以上:正常胚を見つけること自体が難しい
とされています。
そのため、
👉 年齢が上がるほどPGT-Aの意義は大きくなる傾向
があります。
PGT-Aに期待しすぎないために
PGT-Aを行っても、
- 妊娠率が100%になる
- 流産がゼロになる
わけではありません。
また、
- モザイク胚の扱い
- 検査誤差の可能性
など、完全ではない部分もあります。
大切なのは、
👉 PGT-Aは「魔法の検査」ではなく、治療戦略の一つ
と理解することです。
まとめ
PGT-Aは、良好胚を移植しても妊娠しない方や、高年齢で体外受精を行っている方にとって、有効な選択肢になることがあります。一方で、胚の数が少ない場合や若年層では、必ずしも必要とは限りません。大切なのは、検査そのものを目的にするのではなく、「自分の治療段階で本当に必要か」を医師と相談しながら判断することです。